脊髄損傷後、初めての“ひとり外出”は、とんでもなく勇気がいる。
外に出るまでの不安、外に出てからの不安、帰ってくるまでの不安。
とにかく「もし動けなくなったらどうしよう」「段差があったら?」など、ひとつひとつが大きな壁になる。
でも、ちゃんと準備しておけば、外出は“怖いもの”から“自由の時間”に変わる。
この記事では、初めての外出を成功させるための実践的なコツをまとめた。
■1. まずは“外出が不安になる理由”を言語化してみる
一人外出が怖いのは自然なこと。
その理由は大きく以下の3つ。
- 移動の不安(段差・急な坂・舗装の悪さ)
- トイレの不安(近くにバリアフリートイレがあるか)
- トラブル時の不安(パンク・転倒・体調悪化など)
つまり、外出の成功は
「いかに不安を事前に潰せるか」
で決まる。
■2. 移動ルートは“Googleマップの弱点”を補う必要がある
Googleマップのルート案内は便利だけど、
車椅子視点では“落とし穴”がある。
▼よくある落とし穴
- 実は段差がある
- 狭い歩道がルートに含まれる
- 坂が急すぎて上れない
- 点字ブロックや縁石が邪魔になる
- 車道の横を走るルートで危険
だからこそ、ルートの事前チェックは必須。
■3. 外出前に絶対やるべき“ルート作りステップ”
◎ステップ①:目的地周辺の“ストリートビューで段差チェック”
入り口の幅や段差の有無がある程度分かる。
◎ステップ②:目的地近くのバリアフリートイレを検索
「多目的トイレ」「バリアフリートイレ」「オストメイト対応」などのワードで検索すると見つかる。
◎ステップ③:ルートは“距離より安全優先”で選ぶ
多少遠回りでも、
- 歩道が広い
- 段差が少ない
- 坂が少ない
これを優先。
◎ステップ④:雨の日ルートを想定
雨の日はマンホールやタイルが滑りやすく危険。
屋根が多いルートがベスト。
■4. 一人外出の“持ち物リスト”完全版
これは僕が実際に持っていて、何度も助けられたもの。
▼必須アイテム
- スマホ(バッテリー残量は多め)
- モバイルバッテリー
- 財布・ICカード
- 水分(500ml程度)
- タオル or ウエットティッシュ
- ティッシュ
- カギ
▼“あると安心”アイテム
- 小さな折りたたみスロープ(軽量タイプ)
- 車椅子用の簡易工具
- 雨具(レインポンチョが便利)
- 薬・絆創膏
- エコバッグ(荷物の固定用)
▼冬・夏の季節アイテム
- 夏:冷感スプレー、日焼け止め、冷感タオル
- 冬:手袋、膝掛け、貼るカイロ
外出の安心感=持ち物で8割決まると言っても過言じゃない。
■5. 外出の“安全ポイント”は3つだけ覚えておけばOK
① 片側の歩道は絶対に避ける
車道や駐車場の横を通るルートは危険。
安全優先で遠回りでも広い歩道を選ぶ。
② 坂は“登れるか”ではなく“下りが安全か”で判断
登れる坂でも、下りが急すぎると危険。
坂は“逆方向”の視点で見るのが大事。
③ 信号待ちは“後ろ向き”が安全
前向きだと車に押される角度になる。
安全第一で。
■6. 途中で不安になった時の対処法
外出中、不安になったり疲れたりすることは普通。
そんな時は…
- ベンチがあれば休む
- コンビニに避難する
- 一度深呼吸してスマホで現在地を確認
- 帰る判断をしてOK
「無理しない」は外出の基本ルール。
■7. 最後に:一人外出は“できる日が来る”。そして、慣れていく。
外出って、できるようになれば日常の幅が一気に広がる。
- 自分のペースで動ける
- 好きな時間に外に出られる
- 気晴らしができる
- 生活の自信が戻る
- 世界が少し広がる
最初は怖くて当たり前。
でも、小さな外出を積み重ねれば、
必ず“普通の日常”として外出できる自分になる。
焦らず、自分のペースで。
あなたの一歩が、これからの自由につながりますように。

